中古マンションをカスタマイズするスケルトンリフォームプロジェクト“フロムスケルトン”
A邸は北西南をバルコニーに囲まれた眺望、採光が非常に優れた物件です。
ご本人の一番のこだわりから間仕切り全くなしの空間、床は全てタイル貼り、壁は漆喰塗り。
さすがにどこを探してもこんなお部屋は見当たりません。A氏のこだわり詰まった完全オリジナルです。
間取り | 間仕切りなしのワンルーム |
家族構成 | 30代単身男性 |
専有面積 | 54m2 |
物件所在地 | 目黒区 |
そもそもが、一般に市販されている物件では自分好みの家が無かった。それなら自分で好きなように内装をいじくりまわせないだろうか?きっかけはすごくシンプルな発想からでした。最初にタウン・クリエイションのホームページを見つけて、正直小さな会社だと思いましたが、逆にフットワークの良さに期待しました。それと物件探しから設計施工までトータルでサポートしてもらえるところ、これは大きなポイントでした。実際に会社に話を聞きに行ったら、「あ、本当に小さな会社だって(笑)」そしてスーツを着ていないカジュアルな雰囲気だったのですが、逆に親しみ易さを感じました。直感的に「あ、僕に合っている会社じゃないかな」そう思えました。
フロムスケルトンの申込み手続きは、設計・施工担当のエーディー&シーが実際に内装をリノベーションした中古物件のお部屋で行いました。現物の仕上がりを目の当たりにすることで、とても具体的なイメージが持てました。そして自分のプランにも、こちらと同様の扉やアンティークガラスを取り入れることになったのです。
<物件探しの条件>
- 希望エリア:山手線、南北線(駒込〜目黒)
- 希望の広さ:50〜60平米台
- 総予算:5000万円位
- その他条件等:駅徒歩15分以内、総戸数30以下
- スーパー、コンビニ、ドラッグストア等の生活利便性
いつかは家を買おうと決めていて、いわゆる持ち家志向ってやつです。社会人になってからそれなりにせっせと頭金を貯めていました。エリアは当初住み慣れた駒込近辺、もしくは通勤を考えて南北線辺りかなぁと考えていました。コーディネーターに同行して頂いての物件内覧でしたが、実際に見たのは6物件くらいです。これって少ない方なんでしょうか? 私はその当時駒込の賃貸物件に住んでいたのですが、駒込の物件を内覧した際のエピソード。何と私が住んでいる自宅のすぐ真裏の物件だったのです。ここに決めたら引越し屋さんに頼まなくてもいいですね(笑)何て話してましたっけ。そして、ついにその日がやってきました。
目黒の物件を二つと他の駅の物件を一つ内覧するスケジュールだったのですが、そのうちの一つが今回の物件でした。
<売買契約から引渡しの流れ>
- 買付け(仲介業者に物件を押さえてもらいます)
↓ - 住宅ローンの事前審査(まずはこれをクリアして)
↓ - 売買契約・重要事項説明(手付金の支払い)
↓ - 決済・引渡し(晴れて所有者に)
不動産の購入って、意外と面倒臭いというか、大変なのはご存知ですか?実際に購入するに当たっては、その点を痛感しました。これもコーディネーターが全て調整してくれたので何の心配も無く進みました。住宅ローンの事前審査から、金銭消費貸借契約の手続きの時も、銀行まで一緒に来てくれて本当に助かりました。変動金利が良いのか、固定金利が良いのか、色々と素人では分からないところも親身になって対応してもらいました。
住宅ローンが実行されて決済が無事に終わりますと晴れて所有権が移ります。銀行の応接室を借りて、売主様と共にお手続きです。司法書士の方立会いのもと、管理費、修繕積立金や固定資産税などの精算も行いました。これも全てコーディネーターに丸投げです。朝一番に銀行に向かい、約1時間半程度は掛かったでしょうか。これで自分の家になったのだ!という様な実感はありませんでしたね。
<設計打合せの流れ>
- 現場打合せ(実際の住戸内で、時には壁を壊しながら)
↓ - 事務所での打合せ(これは何度も納得行くまでやりました)
↓ - ショールーム見学(やはり現物を見てみないことには)
↓ - 見積り調整(決まった予算がありますので)
まずは引渡し当日に現場へ向かいました。エーディー&シーの担当大里さん、そして小見さんが来てくれました。実際にその場で寸法を測りながら、立ち位置を変えてみたりしながら、イメージを膨らませました。以前に図面ではプランを頂いておりましたが、本当に暮らすことになるその部屋の中で考えるとまた全然違ったイメージが湧いてくるものです。壁や天井に穴を開けて、懐の深さを測ったりもしましたね。何となく、これからここに本当に住むんだなぁ〜と思うようになりました。
設計打合せは主にエーディー&シーさんで行いました。仕事のスケジュールもあり、休日に一気にまとめて打合せをこなした日もありましたね。朝10時から夜8時までノンストップ!というのは言いすぎですが、途中でちゃんと食事休憩を取ったりしましたよ。真剣に素材選び等をやりましたので、時間は一瞬の様に過ぎてしまった記憶があります。長時間良くお付き合いして頂きました。
ショールーム見学、これも楽しかったです。ユニットバス一つ取ったって、選択肢は沢山ありました。色選びに始まって、オプション品も多数取り揃っていますから、簡単には決まりませんでした。大里さんと牛田さんの意見を伺いながら、自分に最適なものを選択していきました。広い館内を夢中になって見て回りました。初めて足を踏み入れたという事もありましたが、やはり自分の家です。真剣に検証しますから、非常に長時間居ましたね~。途中、ちょっと疲れて一休みもありました。ちょっと休憩を終えたらすぐに見学再開です。この時はキッチンや洗面所にモザイクタイルを入れようと考えていましたので、色々と参考にしましたね。キッチンなんかも実際の調理シーンをイメージして、サイズも検証してみました。
フロムスケルトンという言葉、最初は何の事やら分かりませんでした。解体工事が終わって初めて、「ああ、これがフロムスケルトンという事か!」やっと理解出来た気がします。解体工事が終わった我が家を見て、愕然としました!! 何だか以前よりとても狭く感じるのです。あれ? と言った感じです。実際に解体をしてスケルトン状態になるとそう感じるらしいです。これがまた内装工事を終えると普通に感じるのでしょうけれども、何だか変な感覚です。
今回のリノベーションのこだわりどころ、いわゆるメインディッシュみたいな感じですが、最初から絶対に「これだけはやりたい」と思っていた床全面総タイル貼り。見積もりの途中で、フローリングにしたら相当なコストダウンが計れることもあり…正直悩みましたね、どうしようかなって。でも、初志貫徹でいくことにしました。早速、代々木にある名古屋モザイクタイル工業のショールームへと向かったのでした。
今回のイメージするタイルの「テラコッタ」はイタリア語の焼いた土を意味します。ショールームには様々なタイルが山の様に積み上げられていて、当たり前ですがさすがタイルのショールームだ!と思いました。手にとって眺めながら思ったのですが、微妙な風合いにて色加減が変わりますから、「これはすぐに決められないなぁ」と。実際、ショールームには閉店後も一時間以上粘りました(笑)。店員さんも呆れていたのではないでしょうか。でも、机に並べて見た時と、床に並べた時では光の当たり加減が変わり、別物に見えてしまったり。皆さんもタイルを検討される場合には覚悟してショールームに望んだ方が宜しいかと思います。
余談ですが、スペインタイルって言っていたのに、引渡し後にイタリア製だって!まぁ、どちらでも構わないんですけどね(笑)
今回のリノベーションのこだわりどころ、もう一つは壁全面を漆喰仕上げにすること。これもコストアップの大きな要因でした。でも自分のこだわりにはお金を惜しまない(格好付けすぎですね)と割り切りました。普通のクロスは絶対に嫌だったので、タイル同様に風合いを存分に味えるのかなぁと期待に胸を膨らませました。
私は仕事中だったこともあり、左官屋さんの作業現場が見れず残念でした。経過は大里さんより写真と共に報告を受けていました。漆喰は左官屋さんの腕次第で仕上がりが決まります。写真で拝見する素敵な笑顔から、勝手に最高の仕上がりが想像できましたね(笑)実際に現場を見に行く時も特に不安は無かったです。
工期は解体作業を含めて約一ヶ月でした(意外と早いのねって感じで)。フロムスケルトンに参加して、物件探しを始めてから四ヶ月位です。その間には数多くの設計打合せを重ねて、図面を何枚も作って頂きました。
感想はというと…良く笑いました(笑)コーディネーターの牛田さんと、設計施工担当の大里さんと、3人でチームワーク良く進めることが出来て、本当に楽しみながら家創りが出来たと思います。実際には遊んでいたんじゃぁないかと思えるくらい、笑いあり、笑いあり、涙は一切なしの(笑)そんな時間を過ごせました。何かの事情で家を買い替える何てことがあったら、またこのチームでフロムスケルトンに参加したいです。ちなみに仙台とか、北海道だったりとか、対応して頂けるのでしょうか?
- 玄関を入るといきなりタイルの廊下がお出迎え。
壁は全て漆喰塗り仕上げとなっており、照明に照らし出されたその壁は、
充分な質感を醸し出しています。 - 居室に入るといきなり巨大なパイン材の棚がお出迎え。
その威圧感すら覚える棚は一体何なのでしょうか? - 居室内は間仕切り壁一切無しの空間が広がります。
北、南、西にある窓からは明るい光と、気持ちの良い風が抜けていきます。
非常に贅沢なワンルーム仕様です。 - 天井はコンクリート剥き出しのままに塗装で仕上げました。
その無骨でラフな感じが雰囲気アリです。 - 開放感のあるキッチンは、タイルでアクセントをつけました。
部屋全体が白い漆喰の中で、一際目立つ存在です。
キャビネットはパイン材で作りました。
- 壁や床にこだわったのに、照明のスイッチが普通のだったら雰囲気台無しでしょう。わざわざ輸入品の上下にカチッと付けたり、消したりするスイッチを選択しました。
- アイアン製の金物を扉の取って等に採用しました。金属が持つ独特の風合いがたまりませんね。触ったときのヒヤッとする感覚も。
- 洗面所もタイルを貼って、照明もちょっとアンティーク調に仕上げてみました。扉のガラスはアンティークガラスを仕様。
- ずばっと一直線に引かれたブルーのライン。このブルーのモザイクタイルを真一文字に配置することによる視覚効果。一見地味な感じがしますが大きなポイントです。